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BMW R100バイク・クラッチ張り付きからの交換作業と合計修理代金
BMW R100 バイクのクラッチが切れない!?
前回の、XJR400用のリアショック設置後の動作確認をしようとしたときの事でした。
僕のBMW R100のセンタースタンドをかけ、キーを回しエンジンを始動させ、クラッチを握り、1速にギアを入れたところ、
「ガコン!」

エンスト発生。
と、言うよりクラッチが切れていない事がすぐに判りました。
そこで、クラッチをニギニギし、クラッチの作動部まで確認したところ、どうやらエンジン内部までワイヤーは動作していることを確認できましたが・・・・
なぜ?
そして、あと2回、合計3回、同じことをしましたが、やはりエンスト・・・
そう、答えは、クラッチが切れていないです。
・・・
マジで、凹みます。
せっかく、リアショックをオーリンズに交換したのに、今度はクラッチが引っ付いてしまったなんて。
解決方法
私もクラッチの構造もしらない素人なので、バイクや車に詳しい方々に聞き、対応方法を模索していきました。
下記に、それぞれ、私が出したアイデアを上げてみたいと思います。
アイデア① 5-56にパーツクリーナ作戦
エンジン左側にメンテナンス穴?加工穴?があるので、そこから5-56を吹きかける。クラッチが外れたら、パーツクリーナーで5-56を吹き飛ばすという荒っぽい方法。
しかし、この方法は全然やる気が起きませんでした。まず、エンジン部に入った5-56やパーツクリーナーの液体がどこから逃げるかも不明だったし、そもそもそこに液体を入れること自体が不安。
アイデア② エンジン温め作戦
センタースタンドを掛け、バイク前側に過重をかけて後輪を浮かします。
そして、エンジンを掛け5分位エンジンを温め、ギアを入れる。
路面の摩擦が無いので、エンストすることなく後輪は回転する。
そして、その状態で後輪をフルブレーキさせるというもの。
アイデア③ クラッチ分解
アイデア①、②でダメだったら、最終的にこのアイデア③になるでしょうが、言うは易しです。
クラッチを分解させるためには、後輪・シャフト・ギアボックスを外さなければならず、素人の私にはかなり荷の重い作業になります。
エンジンを温めてクラッチを剥がず
まあ、一番手っ取り早く、そして不安が無いのはアイデア②なので、早速やってみよ~
と、言う事でガレージに落ちている角材を寄せ集め、後輪のスイングアーム両端を地面からサポートさせます。


そして、万が一の事も考え、前側への荷重としてフルの灯油缶とハンドルを紐で結びます。


プラス、安全を考慮し、前ブレーキを紐でロックさせました。もし、後輪が回転している状態で、センタースタンドが外れたらバイクが暴走しますからねw


しつこいくらいに安全対策をして、いざエンジン始動。
バイクを5分ほど暖気させます。
いざ、クラッチレバーを握り、クラッチを切ってみる。
そして、1速に入れると・・・・
!
問題ない!タイヤは回転しませんでした。
そして、クラッチを開放してあげると、後輪が回りだす事も確認できました。
一応、動画も撮影してみました。
結果的にクラッチが剥がれた!
以上、結局クラッチは問題ないというオチになりました。
バイクや車もそうなのですが、やはり走らないと、調子が悪くなるもんですね~
確かに、3ヵ月位乗る暇がありませんでしたし、クラッチは動かしていませんでした。
エンジンはかけていたのですが、これからは乗らない時でも、クラッチをニギニギしてあげないと、また張り付く恐れがありますね。
再度、クラッチ張り付き!


クラッチが完全に張り付いた!!
ここに至るまでに、充電不良やら、子守りやら、妻のおつかいやらで全然バイクに乗らなかった・・・
かつ
以前の記事で経験のある、「クラッチ張り付き」対抗策である、「たまにクラッチレバーにぎにぎ」を完全に忘れていました!
と言う訳でしっかり、張り付いてしまったので、引きはがし作業をする事にしました。
クラッチ簡易引きはがし作業
これは上記の記事通りにやるだけなんですね~、ひたすらにぎにぎしたり、無理やりギアに入れてみたり、引きはがす。
今回は、前回の記事でも剥がせなかったので、新しい方法で攻めてみました。
名付けて、「電柱に前輪を付けて、エンジンをかけ、無理やりギアを入れる」です。
これは、3回やってみました。
エンジンをかけ、クラッチをにぎったまま、一速に入れる!
ガコン!!
とものすごい音がしますが・・・・
今回ははがれなかった・・・・・
という事で、やります!
クラッチプレート交換!!(涙)
クラッチ張り付きの要因
とりあえず、交換する前に、何が悪いのか(クラッチが張り付いてしまったこと)思い返してみると、
- メンテナンスホールのキャップの脱落・放置
- あまり乗っていなかった
- クラッチレバーを握っていなかった
の3点でしょうか・・・・
とにかく、故障してしまったことをクヨクヨ考えてもしょうがないので、やります!
「クラッチ交換!」


いきなりですが、やってますよ~~。
とりあえず、上の画像はクラッチがあらわになった画像ですが、ここまでくるにも一苦労。
かなり大変だった~~
一応、僕のスタンスとしては、バイクガレージがあるので、交換部品は後から注文、という形でばらしていくことにしました。
あったらいいな必要工具




クラッチを外す前の準備
参考資料
英語ですが、大変役に立ちました。
説明付きで、なんとか英語を駆使しながら何度も聞き取りを行いました。
今なら、ひょっとしたらTOEIC900点を狙えるかもしれません。
金髪の彼女ができるかもしれません。



まあ、冗談はさておき、一応これで勉強してからバラす事にしました。
分解の順番
分解の順番
- キャブレターを外す
- エアークリーナーを外す
- スピードメーターケーブルを外す
- クラッチケーブルをミッションから外す
- シャフトからミッションに繋がる12角ネジ×4個を外す
- スイングアームを留めているでっかいネジ×2を外す
- リアサスペンションを外す
- リアブレーキホースを外す
- ミッションを外す
で、コレです。
動画内では、左側から外していたのですが、僕の場合は右側から外しました。
※注意点
これは、動画内にあったのですが、スイングアームを完全に外す前にスイングアームとフレーム間の隙間の幅を計測してからバラしていたので、その通りにした方が良さそうです、はい。


クラッチの取り外し・取り外し中の不具合
ニュートラルランプ検知ネジの端子破損







このネジはミッション下側についているネジで、ミッションを無理やり引っ張っていたら片方がちぎれた形になりました。



ですので、組付け時はこのネジも新調します・・・(涙)
リアブレーキホース引っ張りすぎ
これは、ミッションを外す際に、クリアランスが無いので、無理やり後輪ごと後ろにずらそうと努力していたのですが、実はリアブレーキホースがつながったままなので、リアブレーキの銅配管を曲げるだけで、全然後ろに行きませんでした。
ので、
必ずリアブレーキのホースを外す事を推奨します。
ミッション外し完了


いや、結構重いので気を付けたほうがいいですね。
何やら消しゴムのカスみたいのが付着していて、めちゃくちゃ汚れてます。
因みに、クラッチ一式がコチラ


なんか、茶色ですよね~。めっちゃ錆びてるやんけ。
一応、外す前に一か所修正液を塗っておきます。
組み立てられなくなったらヤダもんねw
今回はこのくらいにしておきましょう。


クラッチプレート外し



クラッチプレートを外す際は、6か所のネジで留めてあるので、全てを外し、取り出す。
4枚一組になっています。





クラッチプレート厚は4.5mmだった


クラッチプレートの厚みを確認したところ、4.5mmと、仕様データだと5.5mmに対しかなりすり減っていました。
かつ、クラッチプレート上のリベットの頭も削れていて、劣化具合が見て取れました。



部品購入


クラッチプレートだけでは不安なので、一応スプリングも購入。
結構、良い値段するんだね~~~
購入先は、安定の輸入屋ビーマーさん
必要なモノ
- クラッチプレート
- ダイヤフラムスプリング
- クラッチプレート留め用ネジ6個
- シャフトドライブ用ネジ6個
- 耐熱グリス
なぜ、ネジを購入するかと言うと、どうやらロックワッシャーが使い切りみたいなので、購入
言われたとおりにしなきゃダメだもんねw
見積は以下の通り
クラッチ部品合計
21211451512R クラッチプレート 165φ SACHS型リプロ R45/65LS-100’81-96 12,500(税抜) 使用限度4.5mm ×1個 13750円
21211338508 クラッチスプリング ヘビーデューティ R65/80/100’80/9-96 8,900(税抜) 21211242353(廃番)置換 ×1個 9,790円
21211338680 M7 クラッチ ボルト 分解毎要交換 要6ケ 1981-96 R65-100 250(税抜) ×6個 1,650円
21211242377 A7.4 ロックワッシャ 特殊外歯(クラッチボルト用) 1981-,R/K 60(税抜) ×6個 396円
26111242297 ドライブシャフト連結12角ボルト スプリングワッシャ不要型 80/9-96 R 250(税抜) 分解毎交換必須 ×4個 1,100円
Kopffer-paste(独製) 超耐圧高負荷グリス(銅粉ペースト) 2,612円
送料 627円
合計 29,925円
一応、ヤフーショッピングでも購入可能⇩


クラッチプレート


新品は5.5mm厚
なんだか、軽い気がするw
ダイヤフラムスプリング


箱だしなのに、錆びている・・・さすが海外w
クラッチセンター出しツール


いや~、最初はマジックで自作のセンター出しツールを作成したのですが、さすがに不安なので買っちゃいましたw




個人的には、これでイケるとは思ったのですが、さすがにね~、不安だよね~w
ヤフーショッピング⇩


ニュートラルスイッチ


今回、ニュートラルスイッチも購入しました。(ギアボックス下に設置されている)
特に動きは問題が無かったのですが、下の画像の様にギアボックス取り外し時にへましてしまいました。


ニュートラルスイッチの端子を引きちぎってしまった。
ギアボックスを外す際に、まさかニュートラルスイッチがあり、配線が繋がっているなんて思ってもみなかったので・・・・
ですので、ギアボックスを外す際は、ニュートラルスイッチから端子を外しましょうw
これまたヤフーショッピングで購入可能⇩


クラッチ挟み板の研磨・清掃


ちょっと名称がわからなかったので、”クラッチ挟み板”にしてしまいました。
まあ、錆やら、リベットの傷やらであまり状態が良くなかったので清掃しましたw
さ~、次はいよいよ組付けだ~~~!
てな感じで意気揚々と始めました・・・
まさか、こんなトラブルが色々と続出するなんて、この時は知る由もなし・・・
あると便利なラチェットセット⇩


クラッチ組立作業
クラッチセンターツールで芯だし





こんな感じでフライホイール剥き出しの状態から作業を開始します。
以前購入した、クラッチセンター出しツールを使用して組み立てていきます。


センター出しツールを使用していて感じた事は、マジックのセンター出しツールでも良かったんじゃね?ってい事。
まあ、いっか、僕はお金を出して信用を購入しました!(言い聞かせてる)


クラッチプレート固定ネジ×6本は20Nm
締付けトルクは決まっていて、20Nmです。
トルクレンチで回転させると、フライホイールも回転してしまうので、木端やらドライバーを使って、
回転止めをして締め付けました。


スプラインにMolyグリスを塗布して、ギアボックス取付です。
センター出しツールの効果もあって、結構簡単に取り付ける事ができました。


プッシュロッド取付後の異変・・・


ギアボックスも取り付けて、プッシュロッドもグリスを塗布して取り付けました。
そして、クラッチワイヤーも取り付けて、ニギニギとクラッチレバーを握っていた時に、違和感が・・・
あれ?
あれ?
クラッチが切れない・・・・
パニック発生⇒恥動画作成で恥を世界配信
もうこうなると、他の事が見えないというか、何も考えられない。
とりあえず、組み方が悪いのかと思い、何度も何度もクラッチを付けたり外したり・・・
そして、古いクラッチプレートを付けてみたりと・・・
それでもクラッチレバーがスカスカ・・
助けが欲しくなり、こんな動画も作ってしまった!
今思うと、本当に恥ずかしい・・・・
答えはクラッチ調整ネジ
いや~、本当に恥ずかしいですわ!
この調整ネジを締めたら、クラッチが切れるようになりましたw


答えは、Facebook上のBMW R100のコミュニティでアメリカ人からアドバイスを貰いました。
いや~、人類みな兄弟w
本当にアメリカ人のオッサンにキスしてあげたい気持ちでした。



と思ったのもつかの間、新たな問題が
シャフトがギアボックスに届かない!?
はい?何のこと?
と思っている方も多いとは思いますが、ギアボックスを外す工程で夢中になり、シャフトがとんでもなく遠くなってしまって、色々と干渉してギアボックスまで届かないわけですよ!


色々と試行錯誤したし、海外のYoutube動画を見ても解決策が見当たらなかったので、色々外すことにしました。
リア周り全外し
リアタイヤ外し


リアタイヤを外して~~
てか、こんな構造になってたんだね~w面白い(大変だけど・・・)
リアブレーキ外し
まず、ブレーキペダルを外しました。
一番の問題はこいつが干渉していた事です!
こいつめ!


スイングアーム外し


スイングアームまで外してしまいました・・・
いや~、まさかここまでバラバラになるとは・・・
注意点は、ギアボックス側を下に向けるとオイルが垂れるので要注意!
スイングアーム組立
あれ?オレ書いてておもったけど、スイングアーム外す必要あったんか?
まあ、いいや、気持ちもリセットせんとな!(考えない)
邪魔者が居なくなったので、組立は結構スムーズにいきましたw


早く組み立てないと、冬がきてしまう・・・・
あると便利なソケットレンチセット⇩


組み立て作業
シャフト取付
このシャフトに取り付けるネジは専用ネジで使いまわしができません。


そしてトルクが決まっていて、20Nmで締め付けます。
ただ、アクセスが無いので、こんな感じでトルクレンチ先に10mmのスパナを取付け、11mmのスパナで20Nmで締め付け!




スイングアームトルク締付け
動画通りに、左右の隙間が同じくらいに六角レンチにて締付けます。
確か20Nmだったかな?(調べてくださいね)




両側の隙間は大体3mm位でした。




最後にロックナットの締め付けは27mmという大型のソケットで締めます。
肉薄じゃないとかなり入りにくいですね~
僕のは使用後にハマってしまって、なかなか取れなかった・・・




100Nmなのでかなり力が必要です!
トルクレンチは必須!


今回使ったのは20Nmで使えるトルクレンチと100Nmで使えるトルクレンチ2本
まあ、両方測れるトルクレンチがあれば2本買う必要もないでしょうがw
一応、20Nmから100Nm以上まで計測できるトルクレンチを貼り付けておきます。
後輪取付


グリスは、今回購入した耐熱のグリスを使用しました。


後輪を取付ますw
リアブレーキASSY取付
もうね、ここまでくるとチャッチャチャッチャと組み立てていきます。


この辺もチャチャっと取付。
シールテープで配管を取り付けます。
因みに、リアブレーキのエア抜きにかなり苦労してしまいました。
詳細は以下の記事↓
>>【R100】バイクのリアブレーキのエア抜きがめちゃくちゃ苦戦した件
ミッション・シャフトオイル注入


今回は、ミッション・シャフト用にカストロールさんのオイルを購入しましたw
いいですよね~、なんか白い缶が嬉しい!


ただ、プルトップが無いので、缶切りで空けます。
と言うか、最近の若い子って缶切り使えるんでしょうかね~?


ん~、いいですね、新品のオイルはw




ミッションオイルは800mlです。


ミッションにもちょいちょいオイルを入れていきます。
もちろん、ワッシャーは新品に交換w


バッテリー取付
バッテリーは、劣化していたので、今回は新調しました。
詳細は以下記事⇓
>>BMW R100 バッテリー交換【3年で劣化】初めて買ってみた
完成


まあ、すんごくチャチャっと書きましたが、結構時間がかかりました。
エンジンも問題無くかかり、ギアもちゃんと入りました。
※リアブレーキのエア抜きかなり手こずりましたが・・・
>>【R100】バイクのリアブレーキのエア抜きがめちゃくちゃ苦戦した件
本当にこのクラッチ交換は時間がかかりましたが、完成してギアがちゃんと入った時は、感動ものでしたw
てか、このクラッチ交換中に車検も切れてしまったので、走行できませんが、はやく走ってみたいですね~
皆さんも、クラッチ交換、頑張って下さいね!
クラッチ交換後レビュー
クラッチ交換後、10km程走行してみましたが、何だかしらないけど乗り味が全然変わりましたw
何となく、今まで乾式クラッチなので、半クラをしないようにギアチェンジがおっかなびっくりだったのが、安心してクラッチが繋げるような感じに♪
まあ、余程の事じゃないと、クラッチ交換なんかしないと思いますが、交換、おススメです!!

